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養成校の学生生活


理学療法を学ぶ過程

「理学療法士の養成校に入学して理学療法士となるまでの過程」を、
「野球を知らない高校生が野球を始めて甲子園を目指すまでの過程」に例えて紹介します。

1.机上で学ぶことの意味

理学療法士を志望する学生さんで、解剖学や医学に精通している人は極まれでしょう。
ほとんどの学生は入学してから、全く知らない医学・理学療法士に必要な知識を学びます。

野球のルールを知らない高校生が、野球を始めるには、
最低限「道具の名前」「ルール」「専門用語」「理論」などを学ぶことが必要です。
初めてのもの(理学療法、野球)を学ぶには、まず「専門的な知識」が必要と言うことです。

でも、野球のルール・理論を例え完璧に覚えたとしても甲子園には出られないですよね。
同じように、理学療法の専門的知識が仮に完璧でも、理学療法は出来ません。

「野球のルールは野球をする上で必要ですが、野球が上手いかどうかは別な問題」です。
同じように「机上で学ぶ知識は理学療法をする上で必要ですが、
それによって理学療法が出来るかどうかは別な問題」ということです。

では、「野球が上手くなるため」「理学療法が出来るため」には、何が必要なのでしょうか?


2.学内実習・臨床実習の意味

養成校での学習は、机上での学習(知識の習得)と実習(技術の習得)が中心です。
知識を学ぶだけでは何が足りないかを「高校野球」を例に説明します。

野球のルール・理論が分かっていても、それを実践出来なければ意味がありません。
ルールブックを読むだけでなく、キャッチボールや素振り等の基本練習・技術が必要です。
理学療法も同じです。

机の上でどんなに沢山の知識を覚えて、ペーパーテストで良い点数が取れても、
理学療法はそれだけでは出来ません。
「知識を生かす技術」が必要だからです。

理学療法において、患者さんと接すること(評価・治療・態度など)全てが技術です。
理学療法士の学校では、基本的技術を学ぶ為に学生同士で様々な練習をします。

「野球」に例えると、キャッチボールやノック、素振りなどの基本的練習です。
では、初めての練習試合の時に、練習で身につけたキャッチボール・守備・バッティングで
最初から活躍できるでしょうか?

基本的練習だけで、最初から活躍するのは難しいです。

試合ではセオリー通りに行かない事が沢山あります。
それはプレッシャー、アクシデント、コンディションなどの様々な要因があるからです。
そして、教科書通りの基本技術ではなく、試合の流れの中で応用技術が必要だからです。

学生が初めて患者に接する「実習」は、まさに初めての実戦・練習試合です。
基本的技術・教科書通りの技術だけでは、上手くいきません。
これは、ある意味、当たり前のことです。

応用する力・考えて行動する力が要求されます。

「一期一会」

目の前に飛んでくる打球と全く同じ打球が二度とないように、
目の前にいる患者さんのことは、その患者さんだけのことです。
教科書にはその人の事が、全て出ているわけではありません。
記憶力ではなく、考える力を養わなければ、いけません。


3.技術を身につける為に

学生から「技術を身につけたいので、どうすれば良いか?」と質問を受けます。
様々な検査・測定や介助法・治療等の技術の上達法を知りたいとのことですが、
皆さんならどのようなアドバイスをするでしょうか?

技術って、どうやったら身に付くのか?

答えは簡単です。
反復練習と経験(体験)です。

スポーツにおいて技術を向上させる手段は反復練習と経験が最も良い手段です。
最近ではイメージトレーニング(疑似体験)も用いられていますが、
基本的には経験の一種と考えられます。

技術には個人差がある為に、練習をしなくても最初から出来るセンスの良い人がいます。
しかし、多くの人は練習と経験の積み重ねで、技術を向上させます。
理学療法においても同様です。

一部のセンスの良い人は例外として、技術向上に特別な方法はなく、
地道な基本練習の繰り返しにより、体に覚えさせるしかありません。

例え良い指導者に恵まれても、学んだことを練習しなければ意味がありません。
継続は力なりです。

海外で活躍したサッカーの中田選手が、
「練習の中で最も時間を割いているのが(地道で、基本である)パス練習」だと
雑誌のインタビューで見ました。
一流の選手であっても特別な練習法があるわけではなく、
反復練習と経験(体験)によりスキルアップ(技術の向上)が図るのだと思います。

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