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理学療法士養成校での学生生活

ここでは某学院理学療法学科の3年間の実態(?)に迫ってみたいと思います。

1年生

理学療法士への第一歩です。
「解剖学」「生理学」「運動学」などの理学療法士の基礎となる重要な教科を学びます。
しかし、これらは決まって学生の苦手な教科の筆頭に挙がってしまいます。

本当は面白い教科ですが、学生は限られた時間でたくさんの量を学ぶので余裕はありません。
でも、これらの基礎は「理学療法士」になる以上、ずっと付き合っていかなければいけません。

某学院では、
「解剖学実習」があり、骨(こつ)のスケッチや
大学の医学部でご遺体の体をお借りして、実際に人の体の仕組みを学びます。

勉強の話はさておき、1年生は新しい仲間との出会いの時でもあります。
みんなが「理学療法士」という一つの目標に向かうので、
気が合わないわけがありません。
当然、
飲み会が増えていきます(笑)。

でも、学校での3年間で得るものは、知識と同時にこの仲間達の存在が大きいです。
3年間の勉強は決して楽ではなく、時には辛い時もあります。
そんな3年間を共に過ごし、同じ仕事に就くのですから、

その付き合いはその後の人生でも、ずっーーーと続きます。
自分も学生時代には仲間達に救われたな〜と、思います。
そして、これからも・・・。

某学院では、1年生では夏には1泊のキャンプ、冬には1泊のスキー合宿があります。
実は学院行事で楽しい企画は、この1年生で終わりです。あとは楽しいお勉強・・・。
遊ぶときは遊ぶ。やる時はやる。メリハリが大切ですよね!


2年生

2年生は机の上での勉強が最もきつい学年だと思います。
専門的な科目、特に1年生に比べ医学に関連した内容がどっと増えます。
恐らくこの2年生と3年生の2年間は、人生の中で最も勉強する時でしょう。

情報量の多さにとまどう事もあると思いますが、逆に面白くなってくるのも事実です。
いよいよ自分たちの目指す理学療法士の仕事の内容が理解できてくるからです。

この頃、学生は一様に「勉強はおもしろけど、大変。」
「こんなに大変だとは思わなかった。」などの意見。
そうですよね。自分もそうでした。

「障害を持って困っている人の助けになりたい。」
そんな気持ちと希望を持って入学した学校は、予想を遙かに超える勉強の量と難しさ。
いつしか勉強の大変さに、入学した頃の自分の思いがかき消されそうになるかも知れません。

でも、忘れないで下さい。それを乗り越えて「理学療法士」になり、
患者さんに感謝された時の喜びや感動は、自分たちの予想を遙かに超えるはずです。
それを信じて、目の前の壁を一つずつクリアーして欲しいと思います。

2年生のメインイベントは、年度末の
「臨床実習」です。
「臨床実習」では臨床実習病院で、実際に患者さんの評価を行います(S学院では3週間)。
そこで患者さんの心身の何処に問題点があるかを、検査・測定して目標や治療内容を考えます。

患者さんに初めて接する彼らは、その喜びを感じる余裕はまだありません。
勿論、最初から一人で見ることは出来ないので、先輩理学療法士の指導の下で行っていきます。
臨床で学ぶことは、机の上で学ぶことの出来ない実践的な内容です。

決して楽ではありませんが、その3週間の充実した内容は学生にとって、
何ヶ月にも感じることでしょう。
最後は
「モチベーション(動機づけ)」「向上心」が重要になるんですけどね!


3年生

3年生は某S学院では最終学年です。
3年生は
卒業研究臨床実習、そして国家試験の勉強があります。
卒業研究は数人のグループで一つのテーマについてまとめていきます。

遅くまで学院に残って実験をやったりします。
やっているときは大変ですが、そういうのって後から考えると楽しい思い出(?)。
気が合う仲間とワイワイ意見を言い合えるのは、良いことですよね。

さて、3年生のメインイベントは何と言っても
「臨床実習」です。
学校によって期間・課題等は違います。
現在は、1施設あたり8週間、2施設16週間程度の実習が多いようです。

2年生とは違い、患者さんの評価だけでなく、治療も実施します。
当然、求められるものが高くなります。
学生にとっては、ここまで学んで来たことの総決算です。

臨床では、机の上で学んで来た知識だけでは通用しません。
人を相手にする仕事ですから、知識の上に技術が求められます。
そして、何よりも大事なのは社会人・医療人としての態度です。

ほとんどの患者さんは学生さんよりも、社会経験の豊富な人生の先輩達です。
障害に苦しみ、早く回復したいと思っている方達です。
その方達を相手に、「学生だから」と言う甘い気持ちは許されません。

勿論、知識も技術も不足しているのですから、
完璧なことや高度なことが最初から出来る訳はありません。
でも、だからこそ、気持ちだけは「目の前にいる人の為に何が自分に出来るか」を、
真剣に考えなければいけません。

誠意が伝わり、気持ちが寄り添うことが、何よりも良い治療が出来る秘訣だと思います。

もっとも、これは今だから言えるんですよね。
自分が学生の時は余裕がなくて、緊張して、患者さんにはご迷惑を掛けていたと思います。

素直に「たくさんのことを学ぼう」、「患者さんの為に」と思う気持ちよりも
実習の合否のことを先に考えていたような気がします。
それでは、伸び伸びと良い実習が出来ないですよね。

もし、これを読んだリハの学生さんがいてくれたら同じ過ちを犯さないことを願います。

臨床実習が終われば、今度は
国家試験の勉強開始です。
グループを組んで、みんなが一丸となり「理学療法士」の国家資格をめざします。
国家試験の合格率は例年90%以上です。

油断は大敵ですが、学内での期末試験や臨床実習で鍛えられた学生にとって、
国家試験のハードルは高すぎることはありません。
3年間の苦労して身につけた知識を発揮することが出来れば、大丈夫です。
多くの理学療法士が誕生し、障害で困っている方たちの力になれることを期待しています!