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臨床実習の流れ 

臨床実習は基本的に実習施設の方針に従って進行します。
その方法は実習施設や臨床実習指導者の考え方により様々です。
実習がスムーズに進む為に以下の様な流れを一つの例として紹介します。
参考にして下さい。

臨床実習者に対する態度

実習指導者は忙しい臨床業務の中で学生の指導を行います。
学校のように受動的に教育して貰えると思っていると何も学べないで終わります。
臨床実習はあくまで自分で学ぶ所です。

学生は指示を待つのではなく、自分の意志で考え動くことが求められます。
でも、勝手なことをして失敗をしてはいけないので、
行動を起こす前に必ず実習指導者への報告を心掛けるべきでしょう。

学生という意識ではなく、社会人としての対応が必要です。
この辺はやはり社会人経験やアルバイトなどで鍛えられている人は強いですね。
トラブルになる前に
「報告・連絡・相談」を実施して欲しいと思います。

臨床実習生と学生の信頼関係を築くことがまず最初の一歩です。
その為にはお互いの考えていることの
「確認作業」が大事です。

「これは言わなくても分かってもらえるだろう」
「これは言われてないから良いのかな?」
そんな小さなすれ違いが大きなトラブルにつながります。

以心伝心は通用しません。確認作業をしましょう。
出来るだけ多くのことを患者さんと実習指導者から学べるように、
コミュニケーションを積極的に取りましょう!


さて、次は実際に患者さんを担当してからの流れです。
臨床実習の流れ
担当する患者さんが決まったら、学生はどのように動けば良いのか?
実習施設により進め方は違いますが、ここでは一般的な方法を紹介します。
担当患者の決定
ワンポイントアドバイス

 学生の心掛けとしては,レポートという形で担当患者さんの疾患について「症状」「予後」「禁忌・注意点」などをまとめるべきでしょう。どのような「症状」が起こるかが解れば、何を評価すれば良いか項目を挙げることが可能になりますね。

情報収集

 患者さんのカルテから「基本的情報・医学的情報」などを得ます。

 患者さんを前にすると、緊張で頭が真っ白になりかねません。事前に問診すべき内容や評価項目を決めておきましょう。自分が緊張すると相手も緊張してしまいますよ。

患者・家族との面接・問診

 患者さんの立場になって共感して実施しましょう。共感能力は大事な力です。ラポール(信頼関係)を築くように心掛けましょう。
 カルテからの情報に加え、医師・看護婦・リハビリスタッフからの情報収集が必要です。勿論、臨床実習指導者の了解を得てから実行しましょう。

 臨床実習指導者に「今日はこの項目を行いたいと思います」と報告すれば安心して望むことが出来ますよ。
 検査する内容を決め、事前にどのような肢位・方法で実施するかイメージレーニングや練習をしておきましょう。

検査・測定

 臨床では教科書通りの肢位や方法で出来ないことが多々あります。応用力が大事です。緊張すると検査結果の数値を出すことに一所懸命になって、患者さんをモノの様に扱ってしまうミスが起きます。気をつけましょう!

 検査・測定をした結果を次の日にレポートに出します。データとして、正確な数値を出すことも重要ですが、それをどのように解釈したかも添えると良いですね。 

検査・測定の結果を症例記録
として提出、指導を受ける

 誤字・脱字には要注意。ワープロの変換ミスも多いようです。よく注意されることに「指導者がフィードバックしたことが何度注意しても直らない」ことがあります。何をどのようにすれば良いのか、必ず確認作業を行いましょう。

 実習の重要な部分です。文献的な考察も交えて考えましょう。その上で解らないことは,臨床実習指導者に相談しましょう。安易に答えを求めるのではなく,考え方・答えの導き方を学ぶ姿勢が大事だと思います。

評価をまとめ、
ケースレポートとして提出

 ケースレポートにはある程度の書式があります。学校の所定の書式や先輩のレポートを参考にすると良いと思います。

 ケースレポートは一度提出すればおしまいではありません。何度となく書き直しを行い、完成させていきます。フィードバックで受けたことは必ず、直しましょう。

再 提 出

 がんばれ〜!(アドバイスになっていない・・・)

 学生にとっては、ケースレポートの完成までが辛い。睡眠時間が取れない日々が続きます。臨床実習は体力勝負だ!

ケースレポート完成、
レジュメ(抄録)を作成

 レジュメは見やすいようなレイアウトや字の大きさに注意しましょう。せっかくの良い内容も見にくければ、その内容も分かりづらいものになってしまいます。先輩のレジュメを参考に自分が見やすいと思うスタイルを見つけましょう。

 ケース発表は決められて時間内に出来るように練習しましょう。時間の超過はそれだけど評価が下がってしまいます。省けるところと重要な所のポイントづけが大事ですね。

ケース発表
(プレゼンテーション)

 発表はとにかく大きな声で堂々と行いましょう。質問は謙虚な姿勢で受けとめ、自分の考える答えを述べましょう。「分かりません」は出来る限り避けるべきです。

 臨床実習の面白さはやはり治療です。実際に患者さんと言葉を交わし、治療をする中で患者さんと気持ちを共にすることがこの仕事の喜びでしょう。みんなが目指している理学療法士としての仕事ですよね。

治 療

 治療にはある程度のリスクが伴います。怖がりすぎるのも困りますが、ほとんどのミスは不注意が原因です。適度な緊張感を持って、望みましょう。

 よく言われることですが、治療と評価は一体です。治療をしながら患者さんの反応を評価し、治療に生かしていくことの繰り返しです。

症例記録(カルテ)を
毎日、提出

 治療した内容、患者さんの反応・評価、考察、今後のプランなどを毎日、提出します。SOAPを利用する場合もあります。


必ずしもこの流れ通りとは限りませんが、参考になれば嬉しいです。